Daring Cities 2021 報告

イクレイはドイツ・ボン市とともに、「気候危機への動員」「リーダーシップ」「2030年の世界ビジョン」をテーマとしてDaring Cities 2021をオンラインで開催しました。1500人以上の都市の代表者、約300の自治体や地域政府の代表者が参加し、グローバルで多様な経験を共有しました。

Daring Cities 2021 初日の3つのポイント

Daring Cities 2021は10月4日に開幕し、地域のリーダーたちが気候危機に対する経験を語りました。イクレイ世界事務局長であるジノ・ヴァン・ベギン氏は、気候変動対策において都市が果たすべき中心的な役割を再認識する必要だと述べました。

1.私たちはまだ多くの課題に直面しています

今年の夏、ヨーロッパ中西部で発生した大規模な洪水や低地の沿岸都市では土地が失われるなど、世界中で目に見える変化が起きています。「私たちが地球温暖化を引き起こしていることは、100%明白な証拠です」とポツダム気候影響研究所所長であり、ドイツのポツダム大学地球システム科学教授であるヨハン・ロックストローム氏が初日に語りました。

また、この課題は生態学的なものだけではなく、自治体は、ガバナンス全体での政治的断絶からの障壁にも直面しています。「中小都市が気候危機の先頭に立っていますが、強力な利害関係者によってシャットアウトされてしまう可能性があります」とLSE CitiesのエグゼクティブディレクターであるPhilipp・Rode博士が語りました。

2.コラボレーション、ファイナンス、教育は重要

上述を背景に、ビジョンやアクション、今後の進め方についてのダイアログが開催されました。ハイレベルな講演者たちは、温暖化ガス排出削減目標を達成するためには、自分たちの能力や強み、弱みを知ることが重要だと強調しました。フィリピン、マカティの気候変動に対する脆弱性を理解することで、リスク軽減のアプローチを強化することができます。そして、歳入の少なくとも5%を災害対策に充てています。

若者やその他のステークホルダーが効果的に行動できるかどうかは、関連するデータを持っているかどうかだけでなく、自分たちの声を届けるためのツールやノウハウを持っているかどうかにもかかっています。

多くの都市は資金面調達の問題を抱えています。イクレイ会長(米国デモイン市長)のフランク・カウニー氏は、資金動員は民間企業、国家、市民社会の関係者が相互に利益をもたらし、パートナーシップを前進するための基本であると主張しました。連携や資金面での改善は、教育や啓発と密接に結びついています。

3.私たちは今、行動する必要があります

社会的、生態的、経済的な持続可能性の目標の間には常に緊張関係があり、都市のリーダーたちは、あるものを優先し、他のものを犠牲にしなければならないことが多々あります。一方、スリランカのコロンボ市議会のコミッショナーであるロシャニー・ディサナヤケ氏は、別の方法があることを示しました。ディサナヤケ氏は、スリランカの文化、歴史と仏教的規範が、環境維持のための強い価値観と社会的価値観を常に結びつけ、自治体はそれを経済的手段と結びつけてきたことを詳しく説明しました。「コロンボ市では、自然環境を保全するために重要な樹種を庭に植えている市民を対象に、緑の税の優遇措置を導入しています」。生活、人間の幸福、気候変動対策のいずれかを選択すべきではありません。

今行動することは、将来のシナリオを設定することでもあります。都市ではより野心的取り組みが進んでいますが、まだ、前途は多難です。

Daring Cities 2021 3日目(10月6日)ハイレベルデー2021

パネルディスカッション「気候危機下におけるマルチレベルで協調的なリーダーシップ(I)」では、NDC(国家が決定する貢献)を改訂し、2030年及び2050年に向けて気候危機に対する野心を強化した各国政府の代表者と自治体及び地域政府の代表者が、気候危機に対応するために、何が必要かについて議論しました。

日本政府を代表し、環境省から地球環境局国際協力・環境インフラ戦略室長の杉本留三氏が登壇し、2020年10月のカーボンニュートラル宣言、464以上の日本国内の自治体による2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明(2021年9月30日時点)、ゼロカーボン市区町村協議会の設立及び脱炭素化のロードマップの策定、地球温暖化対策推進法の改正、都市間連携など日本の気候変動に関する取組みを紹介しました。

日本の自治体を代表して、山中竹春横浜市長がビデオメッセージで、自治体と国の連携の重要性を強調し、タイ・バンコクでのマスタープラン策定やアジア・スマートシティ会議の開催などアジアの都市とのネットワーク強化と脱炭素化、SDGsの達成に貢献していることをアピールしました。

最後に、杉本室長がSDGsとカーボンニュートラルとの関連性を総括し、セッションを締めくくりました。

2021年12月3日全登壇者よりウェブサイト掲載許可

Daring Cities 2021 最終日(10月8日)変革への呼びかけ

フォーラムの最後には、参加者による「変革への呼びかけ」が行われました。これは、気候危機に取り組むための効果的で透明性の高いコラボレーションを求めるものです。 この呼びかけについて、イクレイ世界事務局長であるジノ・ヴァン・ベギンは、「Daring Cities 2021は、地方自治体や地方政府が自らの声を聞き、能力を高め、経験を共有するための “場 “として機能し続けています。”変革の呼びかけ “と “大胆な “ベスト・プラクティスの収集を通じて、Daring Cities 2021のこれらの成果をグラスゴーで開催される気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)につなげます。
グラスゴー市議会のリーダーであるスーザン・エイトケン氏は、「COP26での成功は、国だけであく地域レベルでの有効な解決策も必要です。都市はこれらの解決策に関与しなければなりません」と宣言しました。
Daring Cities 2021の成果は、COP26などのさまざまなイベントを通じて発表・共有される予定です。

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